※2022.5.22 新たな文章を加えて
再アップさせていただきました。
ふるさとが生んだ世界的な植物学者
牧野富太郎博士がモデルとなる
《2023年度前期》NHK連続テレビ小説「らんまん」が
神木隆之介さん主演で決定!
主人公の妻となるヒロインは、浜辺美波さんに決定しました!
興奮の知らせが届いた日から
取材対応や知事室訪問、NHK高知放送局へのお礼、佐川町役場訪問、署名活動のお礼周りなど
ありがたい忙しさが続き、2018年から続いてきた「朝ドラに牧野富太郎を」の会の活動に
ピリオドを打つ時がやってきました。
以前書いていた日記を読み返しながら、
いよいよ不思議なご縁が続いた4年間だったな〜としみじみ…。
『MAKINO―牧野富太郎生誕150年記念出版』を執筆された、高知新聞社の竹内一記者も会の一員でした。
とことん「朝ドラに」こだわった彼がおっしゃったように、
来年の春からは一視聴者として、博士の愛した草花に
毎朝会えるのが楽しみでなりません。
全ての出会いに感謝です♡
『♪スエコザサ』ができるまで をまとめてみました。
武市半平太の妻 富
野中兼山の娘、婉
土佐の偉人の陰にこの女(ひと)ありシリーズの最後は
牧野富太郎の妻 寿衛と決めていた。
1月6日土曜、洗濯物を干していたら、
急に歌詞とメロディーが浮かんだ。
最初の2行だけはできていたが、
この歌を書き上げるに当たって
どうしてもぶつかってしまう
心情的な壁のようなものに阻まれ、
自分自身が、そこを許せる度量がないため、長くスルーしてきた。
正月明けということもあったのか、
久しぶりに故郷佐川でゆっくり過ごし、
あの独特の文教の町の空気を吸ってこれたからなのか…
とにかく、一息に残りの歌ができた。
すぐに、
野中兼山の娘、婉さんの歌
で昨年お世話になったばかりの
松居孝行先生にデモテープを聴いていただき、興味を持っていただけた。
この頃、歌詞の資料に「草を褥(しとね)に」という大原富枝さんの本を読んでした。
これは、以前、県立牧野富太郎記念館ご勤務の小松加枝さんに紹介していただいた本だった。
この中に、牧野富太郎博士の20歳頃の写真が掲載されているが、この写真が
「いよいよ氷川きよしさんに似いちゅう!」という記事をSNSにアップした。
この記事を、永野真紀さんという知人がシェアしてくれて盛り上がる。
東京銀座のアンテナショップで開催された、チームマキノの新年会に参加されたそうで、
牧野富太郎博士に興味津々だとのこと。
この会の食材として用いられた「マキノ野菜」については、
土佐学協会発行の小冊子「土佐の口福 豊かな食」の編集、取材で関わらせていただいたこともあり、
熊澤秀治氏(マキノ野菜生産者)より、今回のイベントで配布していいか?の打診があったばかり。
そうこうしていたら、ファームベジコの長崎雅代さんから「ランチミーティング」に誘われる。
そこで、これまでの偶然の面白さを語っていたら、
「真紀ちゃんの記事の中に、牧野富太郎さんのご子孫と一緒だった」というコメントがあったよ」とのこと。
ランチのパスタが喉に引っかかってしまうほど驚いた。
〜その2〜
永野真紀さんの1月9日の投稿より
『勝手に高知食材特使』を自称している私が、
東京で開かれた牧野富太郎先生のお野菜を使ったお食事の会に参加。(以下省略)
お誘いくださった牧野先生のご子孫である岩佐さん、ありがとうございました。
たしかにそう書かれていた岩佐吉晃さんとおっしゃる方は、
私の「二十歳の頃の牧野先生、氷川きよしさんに激似」記事にも、
すでにコメントを寄せてくださっており、私達は知らぬ間に小さな会話を交わしていた。
早速友達申請させていただき、メッセンジャーでやりとりをさせていただいた。
岩佐さんは、牧野富太郎博士と寿衛子さんの四女玉代さんの娘のご子息だということ!
「スエコザサ」の歌詞にも目を通していただき、まず
「こんな歴史浪漫を同郷の友人と分かち合わないでどうする!」という思いが沸き起こってきた。
現在も一緒に様々な活動を共にしている、司牡丹酒造株式会社の竹村昭彦さん。
「♪名教館の昔より〜(牧野博士が通った学びの場)」と、同じ佐川小学校の校歌を歌い、
奥の土居の牧野公園でカマキリのたまごを集めて遊んだ幼馴染である。
「『♪スエコザサ』ができたがやけど、歌うてみてえい?」
「今東京出張中ながやけんど」
牧野富太郎博士のご子孫 岩佐さんとの偶然の出会いを報告させてもらった。
「なに???わしも永野真紀さんのご紹介で、偶然明日その人と飲むことになっちゅう!」
彼も非常に驚いていた。
そして、佐川出身者にとっては、歴史的な2ショットを永野さんに送っていただく。
これは、いつか高知にお招きしたい!と、心が熱くなった。
1月15日(月)の午前中に、岩佐さん、竹村社長とやりとりをして、携帯電話を置いてすぐに、着信音が鳴り響いた。
大野ひとみさんという方からのお電話だった。
「牧野富太郎博士は世界的な植物学者であるにも関わらず、
まだ都会ではあまり知られていないことに愕然とされている中西繁さんという洋画家がいらっしゃる。
急ではあるが、本日午後1時に高知城ホールにおいでていただけませんか?」というものだった。
午後からは仕事が入っており、一旦お断りさせていただいたのだが、
これまでの経過が経過だけに、どうしても「行かねばならない」気がして、予定の時間を変更して会場に向かった。
この時、会場に集まった方々の話し合いでは「牧野富太郎博士の残した功績は、はかりしれない。
どんどん自然が失われている現代に、彼の存在をもっと知ってもらうために何ができるか?」というような展開になった。
まず身近に足元からできることとして、150年から途切れていた生誕156年を記念して
「牧野富太郎プレ生誕祭」を開催してはどうか?
プレ生誕祭を成功させるための実行委員会を立ち上げましょう。」ということになった。
会には、牧野博士が歩いた全国の土地を巡って『MAKINO―牧野富太郎生誕150年記念出版』を執筆された、
高知新聞社の竹内一記者もいらっしゃって、この方にも後日「スエコザサ」の歌詞を校正していただくことができた。
「会場でも是非、披露してくださいね」と会の方にも言っていただいたが、
松居先生から、完全仕上がりは12月頃になるとお聞きしていたので
途中段階を何らかの形で表現していただけるとといいなくらいに考えていた。
「12月に仕上がる予定でしたが、急に何かが降りてきたような感覚で、一気に曲が仕上がりました。
4月15日の牧野富太郎プレ生誕で披露できると思います」松居先生からご連絡いただき、飛び上がる。
会場で初めて聴いた、松居孝行さんと佐伯北斗さんの「スエコザサ」は、
「私が口ずさんでお渡ししたあのデモテープが、
松居先生の手にかかると、こんなに完成されたものになるの!!!」という感動の仕上がりで、暫く震えが止まらなかった。
会場ではさらに松居先生から「楽譜のプレゼント」という粋なサプライズもいただいた。
2018.4.15 牧野富太郎プレ生誕祭 松居孝行・佐伯北斗「スエコザサ」歌詞入り
その後、プレ生誕祭だけで終わらせるのは勿体ないということになり、
新しく「朝ドラに牧野富太郎を」の会が立ち上がる。
2018年7月10日、牧野博士も学んだ佐川町「名教館」において、発足式と署名式が行われた。
「2019年7月10日までに、10,000筆の署名を集める」ことを目標に活動をスタートさせる。
事務局の皆様のご好意で、この会場でも、牧野富太郎プレ生誕祭で披露していただいた
松居孝行さん・佐伯北斗さんの動画記録「スエコザサ」を
会場においでてくださった方々に見て(聴いて)いただくことができた。
(NHKの「歴史秘話ヒストリア」に牧野博士が取り上げられたこともあり
署名は全国各地から集まり、2019年9月の時点で、合計約25.000名ほど。予想をはるかに上回る結果となっている。)
夢が現実に近づいていることを実感させてくれる様々な動き。
「朝ドラ牧野の会」のある日の会合で、
【なぜ今、牧野なのか!】を、話し合いました。
出てきた結論がこちらです。
動き始めた偶然
■1
4K8Kの技術が植物をより美しく見せ、世界に日本の技術をPRできるチャンスの時代がやってきました。
■2
昭和15年刊行の「牧野植物図鑑」(北隆館)は、牧野博士の死後も植物学者たちによる改訂・増補が繰り返されて売れ続けている「現役の植物図鑑」でもあります。
■3
直木賞作家で、司馬遼太郎賞も受賞され、日本を代表する小説家として認められた 朝井まかて氏が「小説NON」で、牧野富太郎博士をモチーフにした連載小説「ボタニカ」をスタートさせました。これが非常に面白い!(隔月)。
■4
NHKも牧野富太郎博士を題材にした「歴史秘話ヒストリア」を2019年1月23日に放送。
歴史秘話ヒストリアは、毎週欠かさず拝見していますが、杉原千畝さん
ほか、この番組でクローズアップされた方で、ポンとドラマ化、映画化に繋がった例がございますので、今後の反響が楽しみです。
■5
牧野博士を崇拝しておられる新進気鋭の作家・脚本家、いとうせいこう氏の「植物男子ベランダー」はシーズン2も好評!錚々たる舞台人達が、植物を中心に繰り広げる日常が脚光を浴びました。
■6
博士の故郷佐川町出身の声優、小野大輔氏は武道館を満席にする活躍で、朝ドラ「半分、青い。」にも出演して話題を呼びました。
■7
高知県は高知の自然を存分に満喫するアクティビティ・レジャーから、ほっこり体験や生活文化体験まで、幅広い自然体験メニューを対象に展開する観光キャンペーン『リョーマの休日~自然&体験キャンペーン~』を展開中。
を打ち出しています。
■8
料理界では牧野博士が種を保存するよう指示され復活した郷土野菜「マキノ野菜」が脚光を浴びています。
■9
地道な活動の積み重ねで、佐川町の牧野公園を素晴らしい山野草の山に変えている「はなもりC-LOVE」の活動が、様々な場所で語られるようになりました。
■10
糸井重里さんの「ほぼ日手帳2019」では、博士が描いた植物画「ヤマザクラ」が販売と同時に売り切れ。再販売を開始したが再び完売するという人気ぶりです。
■11
高知リトルプレイヤーズシアター(
http://www.k-little.com)の田村千賀さんより、以前、こどもミュージカルの舞台で「牧野博士」をモチーフにされ、「♪名前をつけてくれてありがとう」という楽曲を作ったという情報をいただきました。
■全くの偶然ですが、「朝ドラ牧野の会」も、昨年発足しました。
この偶然は、3・11以降、また近年の豪雨災害も含め、とことん自然と向き合ってこられた牧野博士をもう一度見直そうという自然発生的な波紋ではないでしょうか。
だからこそ「今、牧野富太郎」なのでしょう。
■「NHKの大河ドラマ龍馬伝紀行」の演奏を担当された、いちむじん。彼らを育てた松居孝行先生が仕上げてくださった「スエコザサ」。このスエコザサをたくさんの観客の前で披露してくださることで、博士を支えた妻、寿衛の存在を、多くの人が知るきっかけになっている。
会場は国の登録有形文化財で、酒造業を営んでいた竹村家の分家「竹村分家旧竹村呉服店」の2階。
(牧野博士ご存命の頃は質屋や呉服・雑貨商を営んでいました。現在は1階が雑貨「キリン館」と、喫茶「まるきゅう」)
二胡奏者の松居孝行先生、ギタリストの佐伯北斗さんに
新しくソプラノ歌手の寿美玲子さんが加わり、牧野博士の故郷 佐川町での歌入り初披露。
仁淀川町の方が縫ってくれた「仁淀ブルー」をイメージしたという
寿美さんの衣装が素敵でした。
「スエコザサ」当日のプロモ上映会の記録より
※佐川町在住の映像作家、西森信三さんが撮影された
牧野公園の山野草映像とのコラボ作品
遂に、NHK会長の元に!
NHK「牧野富太郎朝ドラ検討」 制作局長が高知県団体要望に返答
「朝ドラ牧野の会」は、スタート時は、2019年7月10日までの署名活動という目標を立てていましたが、
引き続き、署名活動を継続していく方向で一致。
2019年9月14日、15日の五台山観月会では、松居孝行さんと、ギタリスト宇高靖人さんがgentleとしてご出演、
牧野博士が愛した様々な植物に囲まれて「スエコザサ」を披露してくださいました。
この日は、松居先生ご自身が、一言一言噛みしめるように歌ってくださいました。
最終日のご来場者数はなんと約1,500人!
https://youtu.be/RcY30yGEPkY
コロナ禍に突入し、署名活動が難航する中、「朝ドラ牧野の会」のメンバー全員1万円ずつ出し合って、
ネット署名を呼びかけるポスター、チラシを作成。
信頼性が重視される中、佐川町が全面的に協力し、窓口になってくれたのはありがたかった。
FMこうちの谷本美尋アナウンサーが、
「なぜ今、牧野富太郎なのか!」を朗読応援してくださったことも
ありがたかった。
朝ドラに牧野富太郎を
https://youtu.be/VvrYzGKv1vk
朝ドラ決定前に「もう一押し!」と制作させていただいた
スエコザサのDVD集、
朝ドラ決定後、2022年4月24日、喜びと興奮の勢いで、牧野富太郎博士生誕160年祝いの演奏を企画。
博士の植物への好奇心を育てた越知町横倉山自然の森博物館での撮影記録を加えさせていただき、
2022.6月に発表予定。
いつか是非!練馬区にある牧野記念庭園でも演奏させていただきたいと、夢が膨らんでいます。
以上、「スエコザサ」の曲ができるまで&その後 目線で書かせていただいた、約4年に渡る記録です。
朝ドラ牧野の会、誰かが諦めかけた時、誰かが力強く引っ張ってくれる連続の4年間でした。
(正直、私自身も4回ぐらい諦めかけました)
諦めなければ、その先の風景が見られる。
人生の中で、なかなか見ることのできない風景を見せてくださった方々と一緒に
この曲を歌いたいの思いを汲んでくださり、松居先生と佐伯さんがレクチャーヴォーカルと、
誰もが歌えるキーでカラオケを録音してくださいました。
もちろん!私も歌いますよ〜!!!